GPTsで何でもできる?企業が導入前に知っておきたい現実と活用のコツ

GPTsを作ったのに使われない理由。社内AIツール定着の落とし穴
ChatGPTのGPTsを使うと、自社の業務に合わせた専用アシスタントのようなものを作ることができます。たとえば、営業メールを作るGPT、議事録を整理するGPT、社内FAQに答えるGPT、SNS投稿案を出すGPTなどです。OpenAI公式でも、GPTsは指示・追加知識・機能を組み合わせて作れるカスタム版のChatGPTとして説明されています。とても便利な機能ですが、ここで注意したいことがあります。
それは、GPTsは作っただけでは使われないということです。
「便利そう」で作ると、使われなくなる

社内でGPTsを作るとき、よくあるのが「とりあえず便利そうだから作ってみる」という流れです。もちろん、試してみることは大切です。
しかし、目的があいまいなまま作ると、次第に使われなくなります。たとえば、こんな状態です。・誰が使うGPTなのか決まっていない
・どの業務で使うのか決まっていない
・出力形式が毎回バラバラになる
・使い方を知っている人しか使えない
・最終確認を誰がするのか決まっていないこれでは、せっかくGPTsを作っても、現場では「結局、自分でやった方が早い」となってしまいます。
GPTsは「プロンプトの保存場所」ではありません
GPTsは、毎回同じプロンプトを入力しなくてよくなる便利な機能です。ただし、本当に大切なのは、プロンプトを保存することではありません。
よくある業務を、誰でも同じように進められる”型”にすることです。たとえば、営業メール作成GPTであれば、単に「メールを書いてくれるGPT」では不十分です。誰に送るメールなのか。
どの情報を入力すればよいのか。
どのトーンで書くのか。
最後に人間がどこを確認するのか。ここまで決めておくことで、はじめて現場で使いやすいGPTになります。
社内GPTsを作る前に決めたい5つのこと

社内でGPTsを活用する前に、最低限決めておきたいことがあります。
1. 何の業務を減らすのか
まず決めるべきなのは、「何を作るか」ではなく「どの作業を減らすか」です。議事録作成を楽にしたいのか。
問い合わせ対応の下書きを作りたいのか。
研修後のレポート作成を効率化したいのか。目的が明確になると、GPTsに持たせる役割も決めやすくなります。
2. 誰が使うのか
同じGPTsでも、営業担当が使うのか、管理部門が使うのか、広報担当が使うのかで、必要な出力は変わります。利用者を決めることで、専門用語の量、文章のトーン、入力項目も調整しやすくなります。
3. 何を入力するのか
GPTsは、入力される情報によって出力の品質が大きく変わります。そのため、「何を入力すればよいか」を明確にしておくことが重要です。たとえば、営業メールなら、相手の業種、提案内容、送信目的、希望する文体などを入力項目として決めておくと、出力が安定しやすくなります。
4. どんな形式で出力するのか
出力形式も重要です。箇条書きなのか、メール文なのか、表形式なのか、チェックリストなのか。
ここが決まっていないと、毎回使う人が整える必要が出てしまいます。AIに任せるほど、出力の型を決めておくことが大切です。
5. 最終確認は誰がするのか
GPTsは便利ですが、すべてを自動で完結させるものではありません。特に、顧客対応、契約、採用、広報、法務、金額に関わる内容は、人間の確認が必要です。「どこまでをAIに任せるか」
「どこから人が確認するか」この線引きを決めておくことで、安心して活用しやすくなります。
GPTsでできること・できないことを知る
GPTsは、特定の目的に合わせて回答ルールやナレッジを設定できます。さらにActionsを使うことで、外部APIと連携する設定も可能です。一方で、GPTsを作ればすべての業務が自動化されるわけではありません。業務の流れが整理されていないままGPTsを作っても、現場では使いにくいものになります。AI活用で大切なのは、ツールを増やすことではありません。
現場の作業を見直し、AIに任せる部分と人が判断する部分を分けることです。
作って終わりではなく、使われる仕組みにする

社内GPTsを定着させるには、作成後の運用も大切です。実際に使ってもらい、うまくいかなかった出力を見直し、入力項目や指示文を改善していく。
この改善を続けることで、GPTsは少しずつ現場に合ったものになります。OpenAIのGPT作成ガイドでも、公開前にPreviewで実際のプロンプトを試し、トーンや正確性を確認して調整することが案内されています。社内AIツールは、一度作って完成ではありません。
現場の声を聞きながら、業務に合わせて育てていくものです。
社内GPTsを活用する際は、使いやすさだけでなく、情報管理の視点も欠かせません。Knowledge機能に社内資料を入れる場合の注意点については、こちらの記事でも解説しています。

AI活用は、ツール導入ではなく仕組みづくり
GPTsは、企業の業務効率化に役立つ便利な機能です。しかし、作ること自体が目的になってしまうと、現場では使われなくなってしまいます。大切なのは、どの業務を減らすのか、誰が使うのか、何を入力するのか、どこを人が確認するのかを設計することです。AI Mateでは、ChatGPTやGPTsを使った業務効率化研修・社内AI活用支援を行っています。
ツールの使い方だけでなく、現場の業務に合わせた設計、社内ルールづくり、運用改善まで含めてご支援しています。「自社ではどの業務をGPTs化できるのか知りたい」「社内で使われるAI活用の仕組みを作りたい」という企業様は、お気軽にご相談ください。
